強烈に製造が難しくなる合板フロア↔ずっと同じ販売価格

職人日記

日本でフローリングと呼ばれる製品の8割近くを占める製品の基材となる、ラワン合板の調達の難しさが叫ばれて久しい。強烈な品質の低下に加え、上がる一方の値段そしてそれでも容易に買えない現実。一方で、肝心の完成品の販売価格は、コストのupに比例して、じりじり上がっているだろうか??
答えは全くノー。上がるどころか下がっている事さえ見受けられる。

これはすなわち、合板フロアの製造者が、労ばかり多くなる一方、事業としては、昔より更に拍車を掛けて儲からなくなって来たという事に他ならず。これが行き過ぎると、起業としては事業の存続の是非に繋がるのは火を見るより明らか。

では多くの国内合板メーカーは、どの様な企業努力でこれを克服しようとしているのか?

①もっと高く売れる製品=機能や意匠性等の追求
②安い原材料を探す
③安い完成品を探す

①や②は企業努力として当たり前、でとっくに皆やっている。③はどうか?

残念ながら必ず工事を伴うフローリングは、日本の工事方法が悲しいかな、諸外国の標準とは決定的に違う為に(フローティング工法↔グルーダウン工法)、外見や性能が類似した安価な製品を海外で見つけて来ましたよぉと言っても、そう簡単に市場も施工業者も受け入れられない現実がある。

で、行き着く所は代わり映えしない”自前”商品で、自分の利益を削って、売り上げを確保する為の乱売合戦である。

それが、これまで我が業界で繰り返されてきた歴史だった。

が、①②がもう限界に来た今、残る選択肢は③、工事方法を1から教え込む手間を鑑みても、事業存続の為には③にチヤレンジするしかない….これが今の合板フロアメーカーの正直な思いで無かろうか?とすると、次に来るのはラミネートフローリング?、それともLVT(クリック式の薄い樹脂フローリング)?

どちらも合板タイプよりずっと安いし、製造メーカーはピンからきりまで、世界にごまんとある。

claimが出難い事、目前の利益が確保出来る事、値段競争力がある事、これらばかりを追っかけた結果が、シートフロアであり、それも需要は一巡、製造メーカーも出揃って、早くも過去の繰り返しの如く、値段競争に突入して来た。

一体、大手フロアメーカーの木質フローリングは、次は何処に行くのか?まさかラミネートフローリング!?もしそうなら輸入ラミネートフローリングで、日本市場で生き残っている2ブランドには、誠に朗報である。

だって大手がもし参入したら、ラミネートフローリングの日本でのstatusは一気に上がるのだから。