一部分だけ簡単に貼り替えられるフローリング

職人日記

所謂、直貼フローリングが、世に出てから20数年が経つ。カーペットや絨毯からフローリングへ、の流れが、最近は特にリフォームで顕著に現れている。

その傾向は、特にマンションリフォームで見られるが、この手のリフォームを行う建物のほとんどは昔のそれ、すなわち団地からマンションへ世の中全体が変わって行った頃=築20年以上経った建物が多いと言う事にお気づきだろうか?

確かに今時のマンションは全室フローリング当たり前、そこに和室が一部屋あるかどうか、絨毯やカーペット等は施主の好みに合わせ、入居後に部分的に使用する事が当たり前。

この様な古い物件にはまだあるカーペット等繊維系の床材→フローリングへの貼り替えで困るのは、下地まで駄目になっていると言う事。これが我々を毎度、大いに困らせる。

団地→マンションへの移行時期には、置き床(床を二重にする事で高さを自由に調整でき、下地コンクリートとの空間に配管や電線を自由に設営出来るシステム)なんてものは無かった。みなコンクリ下地に直接、直貼フローリングを貼ったのだ。その時にコンクリの凸凹を解消するために使用したのが、セルフレベリング材なるセメントや石膏を液状にしたそれ。これが経年変化で皆、粉になっている。この下地ではフローリングは貼れないのだ。

この場合、直貼フローリングなら左官業者を入れて、新たに下地を作らなければならないし、二重床にしても費用に加え、床が上がれば天井が低くなる等の問題が出る。

この様にして余計な手間は、見積金額の大幅アップに直結、つまり「簡単にフローリング化出来ると言っていたのに、話が違うじゃないか」のトラブルが、現場ではとても多い。

どうすれば現場を問わず、そしてお客と大きな行き違い無く、カーペットや畳からフローリングに出来るのか?

答えは簡単。前から貼ってある床材を剥がさなくとも、そのまま上から貼れるフローリングがあればいいのです。簡単に言えば、糊や釘で固定しようとするから固い下地が必要、だったら固定せずに、従来の床材の上に新たに「置くだけ」で済む様なフローリングなら困る事は無いのです。これは逆に言えば、そのフローリングに飽きたら、すぐ取替えられると言う事になる、だって糊や釘で付けていなければすぐ剥がれる、と言うよりも”外れる”でしょ!

そんな製品は無いのか?

有ります、海外では当たり前にあって日本に無いだけ。これをフローリングの置き敷(フローティング)工法と言います。

商品を問わず、無駄な時間や金、そして手間は費やさないと言う世の中にあって、こんな傾向がフローリングでも流行って行く事は間違いないのです。