2006年10月某日 接着剤メーカーに物申す

職人日記

古くはサリン事件以来、駅ビルやデパート工事で、内装に使う塗料や接着剤で、危険物使用の制限が大変厳しくなっている。

職人仲間の一人より電話あり、池袋のSデパート内装工事で、同じ商品ジャンル(成分)だが、メーカーの違う接着剤を使ったら、エラく揉め事になってしまっていると言う。

同じ成分の接着剤にも拘らず、先月はK社、今月はH社を使ったら、H社を使った場所を、なんとやり直せ!だと。その理由は、K社の容器には無い「火気厳禁」の表示が、H社の容器にはでかでかと書いてあり、そんな危ない接着剤を現場で使ったのか?と問われた事がトラブルの発端と。

早速、困っている仲間を代弁して、H社にクレームの電話を入れた。
担当者の回答は「見解の相違です。ガソリンスタンドで煙草は吸えないが、そこに止めてある車の中で煙草は吸えますよね。でも、そうすると車も爆発の危険ありますよね」だと……

何だ、そりゃ?職人如きだと思って、訳の判らぬ下手な例え話で、煙に巻こうと言う、メーカーH社お客様相談室の魂胆が透けて見える。

要は、メーカー間で、表示方法が統一されていないのだ。

そんな事で売れる売れないはメーカーの勝手だが、現場で使える使えないで迷惑を蒙るのは、結局、我々職人に他ならない。

何故現場の声、つまり毎日毎日それを使っている人の声をもっと聞かないの?家庭の主婦の意見だけ聞いていれば、現場で汗水流して働いている職人には、何も聞かなくていいの?

商品開発には当然と思える事が、建材関連の製品には、本当に欠けている事を痛感する。