2016年08月05日

 本当に薦められる床材...無垢床材に替わり得る商品

 
 seko.gif  合板フローリングが、何十年もずっと同じ値段帯にある割には、諸般の事情から、製造方法だけは強烈に難易度が高くなり、結果、メーカーにとっては、儲かる  どころか作れば作るほど疲弊している商品になりつつ  ある、と言う事は先般書いた通り。

 では木質フローリング歴35年のこの私が、無垢フロアの代わりに、本当に薦めて  良かったと、最近とみに思う商品は何か?

 それはLVTである。ラミネートベニヤタイルの事。ラミネートフロアをHDFで無く、  樹脂タイルで作った商品だ。こんな物が売れると、私は本当はとても困るのだけれど、一方で実際に使った同業の連中が皆、施主から、ゼネコンから、そして納材屋から  「良かった」と感謝されるのだから、薦めた当人の私も決して悪い気はしない。     世は押しなべて本物志向に傾注する中で、LVTなんて最初はあんなに煙たらがれていたのに、だ。

 そのメリットを分析してみよう;

@ 最近のLVTの表面性のリアルさには、プロでさえ目を見張る技術・進歩がある。
A 本当にカッター一本で施工出来る。
B 素材及び素材の改良に拠り、ほとんど施工上のミスに拠る製品トラブルが無い(=「手」を選ばない=プロでなくても貼れる
C 合板フロア並もしくは以下の値段である。
D 薄いからリフォームにも使える。
E 厚みが薄いので、最初から最後まで、この商品に関わる皆んながとても楽に               扱える。
F 柄もぶれないから、とかく色柄クレームの出がちなマンションにも心配無く使える。

 私の様に、木質床材一筋でやって来た職人から見ると、とても悔しいけれど、ともかく何もかもが実用的なのである。

 そのLVT、欧州ではラミネートフロアを凌駕する勢いで伸長している製品との事。  実物を見て貼ったら、私でさえ、大きな可能性を感じるのだから、その背景も良く判る。

 本物か本物でないか?そんな事より、関わる人皆んなに取って、良いものか     そうでないか?が大事であり、誰にとっても良い物は良い、だから「売れる」と言う、  誠に単純、でも厳然たる事実・現実なのである。












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2016年07月12日

 強烈に製造が難しくなる合板フロア↔ずっと同じ販売価格


chouhen_sekou.gif  日本でフローリングと呼ばれる製品の8割近くを   占める製品の基材となる、ラワン合板の調達の難しさが叫ばれて久しい。強烈な品質の低下に加え、上がる一方の値段そしてそれでも容易に買えない現実。一方で、肝心の完成品の販売価格は、コストのupに比例して、じりじり上がっているだろうか??  答えは全くノー。上がるどころか下がっている事さえ見受けられる。

 これはすなわち、合板フロアの製造者が、労ばかり多くなる一方、事業としては、  昔より更に拍車を掛けて儲からなくなって来たという事に他ならず。これが行き過ぎると、起業としては事業の存続の是非に繋がるのは火を見るより明らか。

 では多くの国内合板メーカーは、どの様な企業努力でこれを克服しようとしている  のか?

@もっと高く売れる製品=機能や意匠性等の追求
A安い原材料を探す
B安い完成品を探す

 @やAは企業努力として当たり前、でとっくに皆やっている。Bはどうか?

残念ながら必ず工事を伴うフローリングは、日本の工事方法が悲しいかな、諸外国の標準とは決定的に違う為に(フローティング工法↔グルーダウン工法)、外見や性能が類似した安価な製品を海外で見つけて来ましたよぉと言っても、そう簡単に市場も施工業者も受け入れられない現実がある。

 で、行き着く所は代わり映えしない”自前”商品で、自分の利益を削って、売り上げを確保する為の乱売合戦である。

 それが、これまで我が業界で繰り返されてきた歴史だった。

 が、@Aがもう限界に来た今、残る選択肢はB、工事方法を1から教え込む手間を鑑みても、事業存続の為にはBにチヤレンジするしかない....これが今の合板フロアメーカーの正直な思いで無かろうか?とすると、次に来るのはラミネート         フローリング?、それともLVT(クリック式の薄い樹脂フローリング)?

 どちらも合板タイプよりずっと安いし、製造メーカーはピンからきりまで、世界にごまんとある。

 claimが出難い事、目前の利益が確保出来る事、値段競争力がある事、これら   ばかりを追っかけた結果が、シートフロアであり、それも需要は一巡、製造メーカーも出揃って、早くも過去の繰り返しの如く、値段競争に突入して来た。

 一体、大手フロアメーカーの木質フローリングは、次は何処に行くのか?まさか   ラミネートフローリング!?もしそうなら輸入ラミネートフローリングで、日本市場で生き残っている2ブランドには、誠に朗報である。

 だって大手がもし参入したら、ラミネートフローリングの日本でのstatusは一気に   上がるのだから。


 



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2015年10月14日

 材だけでは売れなくなったから.....

 
1160_d7f6fdfc120a3836e97dbf4e7bd42ff475.jpg  フローリングを売っていた先が、工事まで手を出す事 が珍しくなくなって来た。それも目先を変えて、無垢の  研磨だって。研磨自体は時勢に応じて、良い物を長く   使おうと言う事で大変結構だが、それを導入する先の 台所事情はそう簡単では無い。

 一言でいえば、売上を更に上げるのではなく、材だけでは売れなくなってきて、止むを得ず工事に手を付けるのだ。材だけ”順調に”売れていれば手離れは良いし、何も  変える事は無い。しかしながら我が木材建材業界において、消費増税後のこんなに 長く続いている不振、全く恩恵に預かれないインバウンド需要、要はどうにもこうにも 販売予算の達成が、そして事業の成長が見込めなくなって来て、気の進まない分野に手を付けざるを得ないのが工事に手を染める販売屋の本音、と思うのは私だけだろうか?

 それはそれで、生き残る道の模索なのだけれど。

 ”無垢フローリング再生”と言えば聞こえは良い、で、彼らがまず売り込みに行くのは過去に売った事のある客。これまでは売りっ放しで成り立っていたが、要はそれが    通用しなくなり、付加価値を上げないと落ちて行くだけなのだ。

 無垢床材の再生とは、内装材を資産とみなす欧州ではとっくの昔からある事、それがやっと聞く様になってきた事は、日本人のフローリングに対する意識がやっと変化して来た事の何よりの証であると共に、これ迄の安直な商売、すなわち誰でも、何処でも 買える、そんな汎用品を値段だけで売ってきた日本全国有象無象のフローリング    販売屋の淘汰が、いよいよ始まっていると言う事なのだ。















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2014年07月09日

 いまどき熟成肉が流行、それはラミネートフローリングでも同じ!?

 

 マデラ.jpg消費税増税のラッシュ需要後、急に静かになった。  何もかも。職人不足と言われているが、一方で建築物の審査が更に厳しくなったのか、声は死ぬほど掛かれど、どれも乗り込みが著しく遅れる、そして結果的に重なって断わらざるを得ないケースばかり。

 一体、現場が本当に手が足りなくて困ってるのやら  どうやら?不透明な状況、を絵に描いた様な状態が続いている。

 ラミネートフロアも一時の新規参入ラッシュは終わり、元々「生き残り」は数社だったのが、ここに来て、いよいよ限られたブランドしか耳にしなくなった。何故かは判らぬが、透けて見えるのは、きちんと利益を出していそうな先だけが続けていられると   いう事。至極、当然の理由です。

 数少ない生き残りブランドから貴重な話しを聞く機会があった→ラミネートフローリングは、一定の在庫期間が経って施工した物は、伸縮クレームは皆無だと言うのだ。  
 
 よくよく聞けば、この話し、非常に理に適う。

 日本市場はF4必須→海外ではF4基材は全て受注生産→受注生産品は他に   売れないから、メーカーに依らず、どのメーカーも出来立てを直ぐ梱包出荷したがる→日本も直前にならないと注文しないから、多くの場合で即出荷(下手すれば空輸)→現場も即施工.....って養生は一体どこで行うの?この場合の養生とは、生産国と日本の気候が全く違う前提だから、生産国での養生(それも原板で)はカウントされるべきでは無い。つまり「出来立てのラミネートフロア」こそ、日本で「悪さ」をする事が容易に   考えられまいか?

 そう考えると、では日本で長期間在庫すればいいだけだろ?の話になるが、御多分に漏れず、在庫圧縮の大号令が掛かっている現状ではそれも土台無理。だから悲劇は繰り返される。輸入建材を論じる時に、決定的に違う前提は、商品自体や製造者の気質だけでは無く、両国の建材流通システムその物でもあるのだ。

 だからどうする?それをどうやって実商売に活かす?は事業者の知恵と工夫次第。
しかしながら、板その物を改良するとか、糊を裏面に使用してみるとか、専用の見切り材を改良するとか、手間と時間とそしてコストの掛かる方策より、はるかに現実的な 方策と思うのは私だけだろうか?










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2013年04月03日

 ぎったんばっこん波打つ!?中国製の無垢フローリング


 オフィス乾式二重床.jpg 忙しい。新聞やテレビで騒がれているそのまま。  選挙後に上向いた消費意欲、消費税アップの駆け 込み需要なんて理由で、戸建もマンションもそして 店舗も沢山建っており、従ってどこも職人が     足らない。

 おーい、数年前に職替えしてしまった連中、何処へ 行った?今更、帰ってくる訳無い。だって、いつまでもこの状況が続くと思っていないから。だから数年前のマンション不況の時に皆 揃って、業界を去って行ったのだ。

 そんな忙しさを助長するのが事故だ。にっちもさっちも行かない事故になると、рェ掛かって来て、泣きつかれる...どうにかしてくれ!と。もう手におえないよ、と。職人の知識不足、技術不足はこれまで書いてきた通りだが、こりゃ無いよ! と言う商品もたまにはある。そんな物に久しぶりに出くわした。

 中国製無垢フローリング、樹種は果樹系の一種で、裏面に薄いクッション、 我々が通称"カルプ"と呼ぶスポンジの密度の高い様なシートが貼ってある。   これがきちんと裏面に貼られていなかった。カルプはクッション性を持たせる事で、下地材のレベル差による床鳴り減少や踏み心地の改善、また施工面では 改装で剥がす際に下地を傷める事無く、フローリング本体を取り去れる。    そんな目的から、店舗など不特定多数の歩く場所で、モルタル下地に施工する様な無垢フローリングにはほとんど付いている代物。

 原因は糊が足らなかった?それしか考えられない。ともかく施工した後で、  次から次へと剥がれてくるものだから、フローリングそのものが部分的に浮き  上がって、こりゃもう大変。均一の形状で無い板っきれを地面に置いただけ、  みたいな状態だ。場所が社員食堂だから、洒落にならない。

 こうなると手の施し様は無い。溝から糊など注入しても後の祭り、抜本的な  改善策は無く、一枚一枚剥がして貼り直すのみ。

 暇な時期ならこんな仕事も良いが、全く忙しい時期に後向きの仕事は、     勘弁してほしい。







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2012年10月21日

 理解の無いゼネコン・ガタガタの土間コン

 
 20130920_174910.jpg急に寒くなった中、長野のホテル新築現場で3000uの 大きな仕事が舞い込んだ。以前、私が指導した欧州     メーカー製ブナ材の無垢フローリングの施工である。前回の苦い経験(職人日記「2010年6月某日 栃木のリゾート ホテルにて」参照)を踏まえ、心して現場に臨む。

 そんな気持ちは、現場に入って、無残にも吹っ飛んだ。 土間コンクリートのレベルが非常に悪い。建築主は誰もが 知っているスーパーゼネコン。ここにフローリング、それも 無垢のフロ-ティング工法をしろ!とは、施工管理会社も呆れて物言えず。大きな物件と言う事で、わざわざ来ていた現地メーカーの外人も怒りを通り越し、呆れ果ててしまった。

 この現場に限らず、一口に言って、フローリングの下地は、何処もガタガタ。 非木質の塩ビ及びプラスチックタイル、長尺シートには気を遣うくせに、何故に 木質フローリングの下地に対して、ゼネコンはこうも無頓着なのか?理解に苦しむ。 結局、下地の調整に金も時間も掛かり、コストに跳ね返ってくるのは彼ら なのに。
 
 糊釘工法でも、フロ-ティング工法でも、下地のレベルに一定の精度が出て  いないと、結局はクレームに繋がる事を日本のゼネコンは全然理解していないと言うのが経験値だ。

 いま日本に通常に売られている床材で、にっちもさっちも行かない不良品   なんてありゃしない。例え中国製品でも、みな一定のレベルには達している。   だから肝心なのは施工する人の上手い下手。しかしこれも数年前のマンション  不況時に、フローリング職人が喰えずに職替えし、職人全体が篩にかけられて 一定水準の技術を持つ人間だけが生き残っている現在、どんな職人でも 最低限の技術レベルは維持出来ているのだ。しかしながら低すぎる工事予算、   短か過ぎる工期、それに追い打ちをかける酷過ぎる現場の下地....これでは良い工事など望める訳も無し。そこを何とかするのが............と言われたって、世の中には出来る事と出来ない事があります。

 とは言え、工期迫った中で、何とか解決法を見出そうと、無い知恵を更に絞る のだ。








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2012年09月16日

 甘くみてはいけない施工後の床の全面研磨


床サンダー.jpg  現場で知り合った地場のビルダーの監督から    問われる。
 「施主が奮発して入れた国産杉の圧密無垢フロアで、UV塗装の一部剥がれが起こり、艶まで元に戻せ!と 言われて難儀している。費用はフローリングメーカー  負担に出来そうだから、いっその事、全面サンダー掛け   しようと思うが、注意点教えて」と。

 答えはノー。直す職人が専用の自走式大型サンダーでも用意していない限り、   不可能!施工後のフローリングの全面サンダー掛けは、実は最後の最後の手段。  これをやっても問題解決しなければ、もはや貼替しか無し。だから専用のマシンが無ければやるべからず、これが私の30年に及ぶ経験値だ。そしてそんなサンダーマシン、実は国産品で、いまだかつて見た事が無い。フローリング先進国の欧州品の製品で、ここ数年やっと期待に値するものが入ってきた所だと言うのが私の理解。

 監督に聞いてみた。「どうやって研磨するつもりだったんだい?」         
「ハンドサンダーで人海戦術だ」。 あちゃー、これも全く論外。

 通常、ハンドサンダーとは#150以上のペーパーを使っての研磨目的。つまり表面の毛羽立ち除去など、最終仕上げの手段。だから水平面への力もあまり掛からない様になっている。目的が仕上げ研磨だから当然。

 これに対し、今回のケースは何層もの工場機械塗装で、ばっちり仕上げてあるフローリングを、素地まで削り出そうと言う物。こんな場面でハンドサンダーは不適。むざむざフローリングに余計な傷をつけながら、ムラだらけの素地を擦り出している様な事に なる。当たり前だが、素地後の再塗装を考えたら、素地はもっとずっと粗い番手から順を追って、ムラ無く、平滑に、均一に仕上げる事が 絶対条件なのは、火を見るより  明らか。それには接地面に一定の荷重が均一に掛けられる専用サンダーは必須なのだ。

 ややこしいのは、素地(下地)のムラと微妙な凸凹は、塗って見ないと判らない。    だからそれが判った時にはもう手の施しようがない。つまり貼替だ。     

 やる前に相談してくれて良かった、良かった。監督には、まずUVメーカーと      コンタクトを取り(UVにも成分次第で相性有り)、そして部分UV塗装のこなせる連中を別途紹介する。

 ただデカい面積を削るだけだろ!って単純に見えるけれど、施工後のフロアーの  全面サンダー掛けこそ、この道30年の私でさえ、いまだに最も慎重に構える難度の 高い作業なのだ。












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2012年08月01日

 やっぱり欧州にもあった、床の軋みを減らす応急処置


職人日記写真候補1.jpg 
 知り合いの若い職人から相談を持ち掛けられる
...「床の継ぎ目の軋みに文句言われたら、どう直せば  良いか?」

 永遠の課題、と言っては大袈裟だが、良く聞く話。
我々が良くやるのは台所用洗剤の原液を継ぎ目に僅かに注入してやる事。固い物が擦り合って鳴っている所に、  潤滑剤を入れてやる原理。これで大抵の場合は直る。

 ところがラミネートフローリングの様な、こすれ合う部分が非常に硬いタイプ、 そしてフロ-ティング工法の様な糊釘を使わないタイプだとおいそれとは     行かない。

 さて、どうするか?

 これまで実績と効果在りし解決策は、施工時にサネ部分に糊をくれてやる事。職人にはちょいと手間が掛かるが、軋み低減には有効。この手法、もともと店舗路面店でのフローリング使用時、玄関付近は雨を持ち込まれる事で、継ぎ目から水分が吸収され、結果、フローリング目地が盛り上がると言うクレームの解決法だった。

 これまでは、国産の安価な糊から選んで、この応急処置を採用してきたが、  フローリング先進国にはやっぱりあった。

 スウェーデンBONA社・フロ-ティング工法端部専用糊「グルークリック 

 常時国内に在庫、1本から、手頃な値段で買えると言う。こりゃ、都合良い!

 この手の輸入商品で、一番大事な事は、責任&使命感をきちんと持って扱う 日本の輸入元がある事。使用場所に拠っては、製品安全データシートやら成分表やら、必ず出せと言われる。

 この点でも、この製品は安心だ。

 フローリング先進国から、こうした便利で安全な床工事の付帯品・付属品が  きちんとした業者がきちんとしたルートと販売手法で導入され、そして我々、現場の手に届く事を願って止まない。
 

 

 
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2012年01月10日

 初期動作の大切さ...ミスがミスを呼ぶ現場


職人日記写真候補2.jpg 
  知り合いの工事屋から頼まれ、正月早々、松戸の 戸建に出向く。堂々たる和風新築物件、桐の無垢  フローリングの塗装の剥がれが直らないと言う。  元々の施工も補修も、彼が手掛けたのではなく、  困った施主からの直々の依頼だと言う。

 早速、朝一から乗り込んで現場を見る。桐のフローリングとはまた拘った商品、柔らかい素材であるが故に、何とUV塗装が施してあった。施主が海外出張の折に気に入って、わざわざ個人輸入で取り寄せた中国製を、工務店に依頼して  敷いた物だと言う。

 剥がれは大層な面積では無い。が、触った傍からポロポロと表面が崩れてくる。何だこりゃ?翌々聞けばこれで、入れ替わり立ち替わり3社の補修屋が直したんだとか。で、暫く経つと剥がれるを繰り返しているのだとか。施主は困り果て、  材料取り寄せるからと、部分貼り直し迄思い詰めているから、さぁ困った。こんな柔らかい樹種の1枚交換なんか出来ないよ、形而変化が大きいだろう、従い  既に施工してある廻りのピースといずれ”目違い”が起こる事、免れない。

 理由は何だ? しょっぱなの症状を見ていないので確定は難しいが、剥がれてくる塗装片を見る限り、UVとは全く違う物で補修しているのは明らか。

 これはまずいよ、同じ床材の塗料とは言えど、それぞれ性質が全然違うから、同じ物で無ければそう簡単に吸着しないのは明白。

 一体、どんな補修を施したんだ?

 補修屋が施した作業は、どうやら簡易補修キットで埋めてから、何かのコーティングを施したらしい。それじゃUVとは相容れないよ。それを繰り返した事が主な 原因の様だ。今はUVの部分塗装と言う手段もある為、その専門業者を薦める。が、中国製のUVと日本製のUVの相性は良いのか?そこまではUV屋でないと判らない。

 それにしても悔やまれるのは初期動作の間違い。施主が知る由も無いので、 要は補修屋の予備知識不足だ。これが充足されていたら、金も時間も人出も  ずっと節約出来たろうに。

 「知り合いのプロを紹介します。お金は要りません」...これまで関わった補修屋は、多分皆同じ事を言ったのだろうな、割り切れぬ思いで現場を後にする。





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2010年12月30日

 出来そうで出来なかった事...驚きの無垢フローリング再生技術


Bona.jpg 知り合いから是非会ってほしい(会うべき!?)  人がいるので...と言われ、展示会場まで出向いた。

 その人とは北陸のビルメンテナンス屋さんの社長 さん。規模・実績共に欧州No.1と言われるフロー  リングメンテナンス専用メーカーの商品を日本の総 輸入販売元として、2年前より取り扱い始めたと言う。 良く聞く話だが、紹介者から同社のラインナップの中で見るべきと言われたのは、「無垢フローリングの再生技術」だった。

 以前にも記した通り(職人日記:お手入れシリーズ@ 無垢フローリングは削れるのか?)、無垢フローリングの再生は出来そうで出来ない事が、日本では   圧倒的に多い。日本の職人に技術が無い?いやいや全然違う。再生を許す環境そして文化がまだまだ日本で育まれていないのが、その理由。新築でも50年も経たずに壊してしまう日本⇔建物は半永久的に使用、内装だけを時々に住む人の好みで替えて行くと言う欧州、それぞれの文化の中で、住居に対する全く違う背景が根底にある事は言う迄も無い。

 そもそも論は別として、出来そうで出来ない理由は研磨の際の粉塵、塗装の際の臭気そして塗装後、暫く立ち入れない不便さ等など、枚挙に暇が無い二次的 要因なのだ!とは以前書いた通り。

 が、この欧州メーカーの技術とマシンは無垢フローリングの再生に関する懸念(=フローリング職人歴25年以上を誇る私の予備知識)をふっ飛ばした。完璧に解決されている。  

 驚いた、本当に驚いた。

 メンテナンスをキチンと施しながら、フローリングを何代にも渡って大切に使うと言う文化は、この様なメーカーの技術の裏付けとサポートがあってこそ、長年の歴史の中で育まれて来たのだ、とつくづく思う。

 このメーカーに限らずフローリング先進国の欧州には優れた床材アクセサリー メーカーがごまんとあると聞く。これらが日本でその性能を存分に間違いなく発揮するには、技術+性能だけで足りるか?いや、違う。こんな要素は半分、では 残りの半分の要素とは一体何か?

 言うまでもない。その技術を、間違いなく、丁寧に、そして確固たる意志の元に使命感を持って日本に普及させようと努力する日本の会社が存在する事だ。  そして、それがこの北陸の会社の社長さんだった。この会社の社長の熱い思いに共感し、そして感激した。

 あなたがそこまで腹を括るなら、私もプロのフローリング職人として乗りま   しょう。入居時だけ見かけが良ければ、値段さえ安ければそれだけで良し、で  巷に蔓延するカラーフロア(職人日記:2007年3月某日 群馬県内の新築建売住宅にて)にはもう飽き飽きだから。 

 無垢のみならずエンジニアードフローリング(職人日記:お手入れシリーズ@ 無垢フローリングは削れるのか?)の再生に対して、頭ごなしに否定する事を  反省し、これからは積極的に取り組む気持ちを新たにした貴重な出会いで    あった。

 まだまだ日本のフローリング業界も捨てたもんじゃない、明るい気持ちで家路に着いた満ち足りた一日であった。

 *上記、フローリングの再生に関するお問い合わせは、直接アイ・ワークスまでご相談ください。
 


 
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2010年11月28日

 2010年11月某日 埼玉県内の新築ファミリーマンションにて

 
アッシュブラウンハート2.JPG 寒くて早朝出勤が辛くなって来たある日、知り合いの工事屋から出動要請有り。埼玉県内新築ファミリーマンションでの工事。「そういえば春先にそんな話をしていたなぁ、かの フロ−ティング工法(「25年目の代償」)の現場だ。その割には今日まで何の相談も無かったなぁ....少しは前広に言って くれよ」等と思いながら何人かを連れて出向く。

 現場は案の定、遅れていた。既に巷で大問題になっている断熱材遅延が原因なのか?、それにしても何から何まで  1週間以上遅れているらしい。「便りの無いのは良い便り」が、 相変わらず現場では通じない事を痛感する。そんな事よりも、連れてきた職人は皆1週間以上の 仕事確保を前提でここまで来たのに、遅延の影響でこれしか床工事出来なきゃ   遊んじゃうよ!」 電話を掛けて来た張本人の工事屋の担当に噛み付く。     でも、ここ迄は良くある事。
 
 問題は、この仕事が、かのフロ−ティング工法採用の物件なのに、工事屋は 守るべきルールを全然、現場と打ち合わせしておらず、一切を職人に丸投げ= つまり現場の私任せで、何もかも「良きに計らって」ばかりで全然機能を果たしていない事だ。

 この項で何度も述べている通り、フロ−ティング工法は必ず守らなければいけないルールがある。現場を問わず、それを貫徹する事は、この工法が普及して いない日本では誠に至難の業であり、場合によっては現場監督と喧嘩してでも 貫かなければならない

 何故か?守るべきルールを守らないと、それは後々クレームとなって何十倍にもなって帰って来るからだ

 この現場も遅延し捲り物件の典型で、精度が全然出ていない。アクセサリーも揃っていない。でも工事屋の言う事は「そこを経験値で、何とか上手くやって...」ばかり。フロ−ティング工法をきっちり根付かせようと言う意識が、まるで無い事に呆れるばかりだ。だから工賃もゼネコンの言い値。そこから自分の定額手数料だけはさっさと引いて、我々の取り分には全く事前の相談無し。これでよい仕事を させようと言う方が元来間違っている。

 職人は実際に床材を貼る人、ではその上に立つ工事屋の機能、って一体   何ですか???

 現場監督から直接聞かれた。「この商品、以前やって問題になったのだが、  今回は大丈夫かい?」頭に来たので、こう答えてやった「さぁ全く判りません。  だって工事屋が、工期内に言われた値段で収める事しか頭に無いからね、我々は言われた通りやるだけ。でも固いポリシーも、事前の相談も無いのに問題無く完工出来る程、この商品は甘くないよ。我々は押し付けられた仕事と割り切ってやるだけ、後は知らないよ」と。現場監督も返す言葉無く、黙りこくる。

 例え準備がどんなに揃っても、最後は人が全てを決定する、のはどんな仕事でも同じ。これはホワイトカラーもブルーカラーも違わない。その人の意識が変わらなければ、どんなに良い製品でも悲劇の繰り返し、日の目は見ないのだ。

 これからは、仕事を貰う工事屋をこちらから選別しなきゃいかんなぁ〜と    考えながら家路を急ぐ。


 


 
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2010年06月30日

 2010年6月某日 栃木のリゾートホテルにて



JUN4.jpg 長い付き合いの工事屋から、度重なる呼び出し有り。今日で 実は4回目。場所は栃木県の中心部、今時の立派なリゾート  ホテルの食堂だ。

 そのクレームとは、欧州産の豪華な厚いブナ無垢フローリングが伸び捲っている事。その度に見切材を外して、伸びた部分を測って、端口をカットする。そんな事している内に、見切材もバカになって、直ぐ外れちゃうから困ったもんだ。

 このブナ材、現地ではそれなりのブランド品。施主が自ら気に入り、買い付け、自前で輸入して、工事屋に賃仕事させたと言う。これだけなら良くあるケース、 施工時に感心したのは、こんなに厚い無垢フローリングであるにも拘らず、   メーカー独自の工夫で、フロ−ティング工法(25年目の代償を参照)を実践している事だ。

 現地メーカー長年のノウハウで、日本の四季の湿度・気候を加味した伸縮を 割り出し、日本の現場に最適なアクセサリーを持ち込んだと言う。そういえば、 昨年暮れの施工時には、本社からわざわざ外人が来て、施工指導されたっけ。その時は、このメーカーの正しい施工法へのこだわりに感銘したのだ。
 
 それが、僅か半年で無残な結果となった。

 暑さ、湿気いずれも想定外だったと言い訳は幾らでも付くが、ともかく事故は 事故。半年の間に何回伸びた箇所をトリミングした事か!?その程度は、痛んだ見切りを交換しなければならない程!の厄介さ。

 "本社"の、あの施工指導と自信は何だったのか?

 木質フローリングでは、日本は後進国。まして施工方法に関して言えば、日本の常識は、海外の非常識。その意味では海外メーカー、特に欧州の製品・工法とも間違いなく日本より研究され、そして場数を踏んで訓練されていると言える。 要は、洗練されている。

 一方で、商品だけ優れていても、正しい工事が伴わなければ結果は事故、は 火を見るより明らか。加えて"本社"の推奨する正しい工事は、決して日本では"そのまま"通用しないのも明らか。だって、気象条件も、施工条件も全然違うから!!そのまま通用しないのを、日本の状況を加味して通用する様に仕上げる、これが木質フローリングを扱う上で、輸入者必須の義務だ。こんな当たり前が判っていない輸入者が、まだまだ何と多い事か.......嘆かわしい。本国の施工  案内を直訳した"だけ"の説明書が余りにも多い事からも、この勘違いが如何に多いか、容易に想像出来る。

 今回は、施主の直輸入と言う事だから、素人にそれを期待するのも土台無理な話。となると、加害者の役目は誰が負うのか?現地からわざわざ来た外人?  工事屋は、メーカーに言われた通りにやっているのだから、施主が文句を言える先は、最終メーカーしかあるまい。

 それにしても...悲劇。結局残るは、このブランド価値の凋落と思うのは私だけ だろうか?




 


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2010年04月26日

 エンジニアードフローリングの原理原則


職人日記3層2.jpg  エンジニアードフローリングとは何ぞや?        聞き慣れない名前だが、これ、無垢やカラーフロア(合板の上に突板を貼って塗装した床材)を除く無垢材を 組み合わせたフローリングの総称である。

 代表的な所では、合板の上に表面材として3mmや4mmの厚い無垢を貼った物(=2層式フローリング)厚みの違う2枚の単板を貼り合せた上に、同じく表面材としての無垢を貼った物(=3層式フローリング)等が挙げられる。 質が 良く、一枚ものの広幅・長物の無垢材の入手が、急激に困難になってきている中、日本を除く多くの国で、無垢フローリングの代替として主流になってきている商品である。

 何故なら、貼った後の見た目は全く無垢フローリングと変わらずも、無垢    フローリングでは免れなかった「反り」「捩れ」「曲がり」などの欠点を、理論上は 排除出来るから。

 一方でユーザーの見る目は厳しく、無垢フローリングなら多少の形状変化は 已むを得ないと思えても、エンジニアードで同様の事が起こったら、そうは    行かないのが通例だろう。

 "樹種に拠り、激しく動きに差のある無垢"を、基材が合板だろうが何だろうが、同じ構造で完璧に動きを止めるのは限りなく難しい。ここにエンジニアード    フローリングの難しさがある。

 2層式を見ると合板は元々何層にもなっているし、それ自体でこれだけ     ポピュラーな商品だから、一番安定している様に見えるが、一定の厚みのある 無垢は想像以上に動きが激しい為、その構造は格段に工夫を必要とする。だからだろうか、2層式で一定のシェアを維持しながら、長生きしているメーカーは 非常に少ないと言われる。事実、そんな"長寿"の優れた2層式タイプを、長年 職人をやっていて、見た事が無い。国産でも輸入品でも、ほとんどの2層式は図らずとも皆、短命で消えていった、そしてそのきっかけは知り得る限りクレームだ。

 では3層式はどうだろうか?このタイプで、寸法安定性を極めるにはどうしたら良いのか?シンプルに考えれば、答えは子供でも判る。上(表層)と下(裏層)に同じ樹種・厚みの物を貼れば良いのです。片面にだけ異質な物を貼るから、  バランスが悪くなって反るのだ。至極、当たり前。

 しかしながら、これだけ巷に溢れている3層式タイプで、上記を実践している  メーカーは世界を見渡しても、ほとんど無い。世界に片手ほどもあるだろうか? そして揃って高い。何故、高いのか?表面材に使える(高級な)樹種を、裏面にも使うから。当然だ。従い、前述の原理原則の具現化可否は、そのメーカーの原材料調達力、パートナー含めた販売力に大きく左右されるだろう。巷のほとんどの 3層式は売り易くするが為に、生産コスト重視して、裏面は薄っぺらい松の単板を貼っているのが現実なのだ。

 高級戸建や億ションを中心とした需要で「幅広一枚もの(プランク)の床暖房 対応タイプでは、満足行く商品が市場に無い」と言われて久しいが、その理由は、 製造上のこんな理由にも由来すると思うのは、私だけだろうか?

 そして一番言いたい事→この3層式の原理原則を製品に貫きつつ、値段は  小慣れて、そして欲を言えば、製造側と直接技術上のやり取りが出来る様な体制を揃えた、優秀な3層式メーカーはありませんかね!?







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2010年03月23日

 フローリングの膨れ...判らない原因


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 知り合いの工事屋から頼まれ、相模原のファミリー用賃貸マンションに出向く。4年以上前に請け負った床工事で、部分的なトランポリン(=浮きに拠る膨れ)多発。原因が判らず、困っていると言う。

 朝一から乗り込んで、早速、次の借り手がまだ付いていない部屋から、現場 調査開始。商品はごく普通の何の変哲も無いカラーフロア。

 酷い。見ようによっては、光の加減でさざ波の様に見える、そして踏むと    ブカブカ。一体どうしたんだ、これは?

 フローリング本体と裏面のクッションが剥がれたのか?と思いきや、何箇所かを捲って見れば、しっかり付いている。モルタル下地材との接着面が剥がれているのだ。

 含水率?糊不足?だったら、4年間は何も無かったのが、ある時、突然、違う 部屋で一斉に、同じ事故が出る訳も無い。フローリングは一流メーカー品。元請はまずメーカー営業マンを呼び付け、原因究明を命じたが、メーカーの正式回答は予想通り「商品に一切問題無し」とある。

 それ以前に、まず瑕疵担保期間をとっくに過ぎているよ。

 不思議なのは発生箇所が集中せずに、部屋に拠り、全然違う事。でも事故内容は全て同じ。一体、何が起こった??構造上で漏水等の問題が起こったか、  もしくは???

 残念ながら、その場で原因究明出来ず。

 知り合いには悪いが、原因が判らないのに、第三者が一度でも補修を請け  負えば、次、同じ問題が繰り返された時、こちらは自動的に加害者。そして原因が判らない限り、同じ問題が起こる可能性は極めて高い。そう、エンドレスで、  この事故に付き合う要が出て来る。

 「出来ません。面倒見れません」と言って正解だったよな、と自らに言い    聞かせつつ、苦い思いで現場を後にする。
 












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2009年12月19日

 2009年12月某日 埼玉の高齢者向養護施設にて


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月初から、埼玉県内の新築大規模物件に借り出される。高齢者養護施設、フローリングの総u数は 2100uあまり。貼る物と言えば、わざわざ施主が 北欧から直輸入したという高級品だ。

 現場に積んである梱包を見て、聞いた名前だと思い出す。職人になったばかりの頃(25年!以上前)に経験した、20mm以上の厚みのブナの無垢タイプ。  聞けば、特別なノウハウで熱圧圧縮する事で、耐久性と寸法安定性を飛躍的に高めていると言う。久しぶりに見る欧州の純正高級品だ。

 施工を開始して、むかしむかしの自分の記憶、とは似ても似付かぬ工法の進化にビックリ!下地材に始まり、糊と釘を使わない工法の為に開発された専用の クリップ兼スペーサー、そして取り回しの良くなったサイズ.....商品のみならず、工法・副資材等あらゆる面から改良が施されている。その目的は「誰でも施工  し易く、そしてクレームを起こさない事」 こんなメーカーの思いが、我々末端の  職人にさえ、ひしひしと伝わって来る。

 こんな商品を見る度に思うのが、国産フローリングメーカーや輸入販売業者は、いつまで経っても、製品の性能や意匠性ばかりに目が向いている事か!  工法も含めてトータルで物事を捉えるメーカーや輸入業者は、今もって極めて 少ない。

 現場から見て、進化を遂げているのは、接着剤や釘打ち機等の道具ばかり。    工法を含めたフローリング自体は、材料や表面が変わった以外に、実は何の   進歩も無い。

 例えば、いつでも、誰にとっても部分貼替えを可能にさせ、外したフローリングが多少汚れていても、再使用出来ないのか?と考えた事のある人は、大勢いるだろう。

 そんなニーズを正面から捉えて、まともに解決してくれたメーカーが日本にあるだろうか?こんなにエコが叫ばれる時代なのに、今だに木質フローリングの  再利用は不可能、として市場に浸透しているのだ。「再利用=新規需要が縮む」....そんな目先の見方ではなく、もっと大きく構えて、ニーズの本質を見極めようと するメーカーの何といない事か!

 建材リサイクル法なんて法律でも出来ない限り、こんな日本の悪しき常識は 改善されないのだろうか?

 その点、この北欧の製品は見事だ。前述の疑問に真正面から取り組んでいる。    まだ最終完成形では無いとしても、ともかくメーカーの不断の努力が、びんびん伝わって来る。難しい事は抜きにして、ともかく「この商品に関わる皆んなが、  全て納得づくで幸せになるにはどうしたら良いか?」 が追求されているのだ。

 駆け出しの頃に見たブランドが淘汰されずに、今だに立派に市場で生き残っている....このメーカーの企業姿勢が、市場に評価されている何よりの証だろう。

 この北欧のフローリングだったからこそ、今回はエレベーターの中まで貼れた。メーカーの商品改善努力が、エレベーターの中と言う新しい需要を創出したのだ。たった一坪だけど、それでも、こうして全国のエレベーターをフローリングで 貼れたら、莫大な需要だ。ここに住むお年寄り達も、さぞかし癒される事だろう。

 「工法と商品を、よ〜く見て置けよ、遠からずの内に、いずれ日本のフローリングも、大きく変わる」と若い職人連中に、改めて説いてやるのだ。




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2009年10月09日

 とても不思議な事....どっちが安いか?


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 常々思うことがある....”どっちが安いか?”ここで書くのだから、勿論、対象は木質フローリングである。

 木質フローリングで、エンドユーザーの満足度を上げる為には
          
@商品の付加価値を上げるべく、大幅なモデルチェンジをする 方が安いか?

Aそれとも、それ以前に、施工上の満足度を上げるべく、現行商品のマイナー チェンジをキッチリする方が安いか?


 である。

 衣類、家電、車等なら、言う迄も無く@。でもフローリングは@だろうか?     フローリングは商品を買って来たら、それで終わりだろうか? いや、違う。    そう、買ってきたら取り付けなければならない。そして忘れてはならないのは、 フローリングの完成度の要素の半分は「施工の上手い下手が決める」と言う事 なのだ。

 ラワン合板に代表される環境規制、製造上の省エネ、施工上の省力化、そして製品の色ムラ排除、耐傷性向上、メンテナンス省力化等々、各メーカーが血眼になって、自社フローリングの差別化を図って、しのぎを削っている事は言う迄も 無い。飽くなき理想形の追求と言えよう。でも、エンドユーザーは、どこまでこの開発競争が行っても、多分100%満足しないだろう...それが消費者だから。   これはフローリングに限らず、何でも一緒だと思う。

 ここでフローリングに関する今の日本の商慣習を話そう。残念ながら、国産  メーカーが直接施工に関与すると言うケースは、まず無い。せいぜい分厚いカタログの最後に、施工要領書が付いている程度。そしてこれを律儀に読む人は、DIYでやろうとするユーザー位しかいない。分業制と言えば聞こえが良いが、 要は皆、自分の守備範囲を自ら定め「それ以外の範囲は、ボールが飛んできても知りません」が実情である。

 これは逆に言えば、国産メーカーの商品開発は、エンドユーザーを喜ばせる 性能面ばかりを追及し、施工はいつまで立っても職人任せと言う事の裏返しで ある。

 商品の性能面を追及すれば試作、試験に加え、今のラワン合板代替にどこも必死の状況では、その基材を広く国内外に求めざるを得ず、結果、莫大な金額を伴う投資案件になる、そしてそれは全てコストに跳ね返る(今の経済状況で、  多少の性能差別化が、売値を底上げするとはとても思えないが)。
 
 この様に、性能面を追及するしか手は無いのか?......いや、違う。現場からの声を、現行の商品にきっちり反映させれば、比較にならない程の少額で具現化 し得る”カイゼン”は一杯有る。

 如何に現場の声を吸い上げ、それを理論化して製品に反映させる、と言う作業は、いったいどこの国産メーカーがいつになったら実行するのか?これだけ集合住宅が落ち込み、どこも苦境に喘いでいる中で、そんな作業を敢行出来る先は、片手ほども無い。

 どんな素晴らしいフローリングでも、最後の満足度は全て施工あってのもの、と言う現実を省みずに、100%に近い完成度及び満足度を、フローリングそのものだけに求める今の風潮を、とても嘆かわしく思う。また、そうしている内に、体力を 消耗し、破綻してしまう国産メーカーが出ない事を祈る。
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2009年09月11日

 2009年9月某日 今度は店舗で......またトランポリン!


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 秋の連休前の金曜日、朝一番に知り合いの内装屋から呼び出される。またもやトランポリン発生!(職人日記>「床が........トランポリンに大変身!?」参照) 今度は店舗だって。

 場所は著名高級住宅街のある都内某駅から、歩いて数分の輸入キッチン雑貨用品の専門店。店は3階構造で計400uと、それなりに広く、若い女性が    わんさか居る。フローリング職人なんて、全く場違いだ。

 案内された現場は、置き敷工法でラミネートフローリングを施工、これに部分的なトランポリンが数箇所発生していた。問題は、その箇所が陳列棚の目の前  ばかり。踏む度に、ぶかぶか言うフローリングに、客の誰もが不思議そうな顔を している。

 当の施工業者を呼んでもらい事情を聞くと、其れなりに正しい施工方法を   判っている。問題無し。では何故起こった?現場を具に観察すると、意外な事に原因があった。壁際とのクリアランスに、コーキングを施してしまっていたのだ。

 無理も無い。デザイン上、幅木を取り付けない設計。こんなお洒落な店舗で、 壁際のクリアランスをどう隠す!?フローリング施工業者の仕事が終わった後で、仕上内装屋は考えた挙句、フローリングの色と類似したコーキングを    わざわざ買ってきて、御丁寧に全て注入し、クリアランスを隠したのだ。

 う〜ん、これは初めてのケース。硬化した後のコーキングが、フローリングの 伸縮如きを吸収しない物、とは正直知らなかった。コーキングは硬化しても常に柔らかい物、と言う印象は、誰にでもあるだろう。

 さぁ、どうやって直すか?

 店舗であるが故、壁際には目一杯の陳列棚、そして綺麗に飾り付けられたデコレーションと、陳列方法を考え抜かれて置かれているであろう数々の商品、そして何よりも営業中だから、直せる時間は閉店〜翌日開店までの限られた時間しか 無い。

 一に考える、二に考える、そして三にも四にも考える......どうしたら陳列棚を  どかさずに、持ち上がりを短時間で直せるのか???

 閃いた!早速、車で近所のホームセンターに走り、数百円の文房具を購入  して、閉店を待つ。そして作業に取り掛かる。論理的には間違いない方法だが、果たして本当に効くのか......今回ばかりは100%の自信を持てない。

 翌日、内装屋から朝一番にрり「きれいに直りました、有難うございました。」と。

 ホッとした。我ながら、よくとっさに機転が利いた物だ。実は、このフローリングを穴の開く程、見つめて思い付いた事、このデザインだからこそ出来た事。  

 これであの店も安心して、掻き入れ時の連休を迎えられる。折角だから、あの店にもう一度行って、母ちゃんに洒落た器の一つでも、買ってやるか。


 
 

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2009年08月30日

 2009年8月某日 床が......トランポリンに大変身!?


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 盆も明けて直ぐ、知り合いの工事屋より「助けて  くれ!床がトランポリン!?になった」の電話が  入る。 暑い中、道具を積んで出かけた先は、東京都と埼玉県の境、荒川近くのファミリーマンション 新築現場。

 中に入って見た物は......置き敷工法に失敗したフローリングが太鼓状態に   なって、真ん中が見事に浮いている。予想通りとは言え、こりゃ余りにも酷い。 本当にトランポリンそのものだ。

 知り合いの工事屋は、人手が足りないからと急遽呼ばれ、助っ人を出したが、そこは実に綺麗に収まっている。事故ったのは、内装元請が自家手(=自前の 職人)で施工した部屋。

 置き敷工法とは、糊も釘も使わずに、巨大な一枚の板をボン!と床面に置く  工法である事は、ここでも何度も述べた通り。その際、フローリング自体の伸縮を 考えて、壁際に僅かな隙間(クリアランス)を設けてやるのがルール。そして、  このクリアランスを幅木等のアクセサリーを使って、上手に隠すのがコツである。

 このクリアランス確保作業を怠ると発生する代表的な事故が、今回のトラン   ポリン現象なのである。

 昔は、前述アクセサリー自体が、なかなか手当て出来なかったが、今は国産 でも輸入品でもかなり普及し、全然手に入らないと言う事は、まず無くなった。   それなのに......このざまである。

 実際に施工した若者は、事前に施工マニュアルらしき物を見たという。     くしゃくしゃになって現場に落ちていたそれらしき物を見て、改めて感じる事.....   肝心な事が全然書いてありませんよぉ〜。こんな直訳じゃ、輸入元にメーカー 機能、まるで無し。きちんと日本の職人に内容吟味と添削をさせたのか??? 前提が違う国のマニュアルをそのまま使えるはずがないのは、火を見るより   明らか。全く、この経験の浅い若者ばかりを攻めちゃ、可愛そうだ。

 ともかくここが腕の見せ所、貼り直しをせずに、どうやってこの持ち上がりを  引渡し日までに収めるか?、それが私が呼ばれた理由である。

 長年の(!?)経験から、車に戻って、七つ道具の一つを持ち込み、フロー   リングをXXXXXXする。皆が固唾を呑んで見守る中....下がらない。盛り上がりは一向に下がらない。皆んな、キョトンとし、やがて失意の溜息が漏れる。     「やっぱり貼り直ししなきゃ〜駄目かぁ.......」と。

 「明日もう一度確認して、まだ問題あれば電話してくれ」そういい残し、颯爽と 現場を去った。我ながら、格好の良い帰り方だ。

 翌日、昼前にけたたましくрェ鳴る「落ちた!盛り上がりが落ちた。直った!  直った!!貼り直しをせずに済んだ」

 当然です。だてに何十年もやっていない、加えて、こう見えてもフローリングの勉学は日常怠っていない。

 これを教訓として、あの場にいた若い連中は、今後、少なくとも置き敷工法   では、二度と失敗しない事を祈るばかり。

 一方で、置き敷工法に限っては、手離れの良い材料売りが、大事故を引き   起こし、それは結果、商売を台無しにして、商品の生命自体を殺してしまう事を、メーカーや輸入元がいつになったら理解するのか?とても残念に思う。


 
 
 

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2009年07月04日

 無垢フローリングのサネは必要か?


2009090408320000.jpg 無垢フローリングのサネは、本当に必要だろうか?あまりにも当たり前過ぎて、あまりにも馬鹿馬鹿  しくて、答える気がしません、と思うだろう。

 でも、この道25年以上の私が満足出来る答を  くれる人はいない。私も答えられない。

 是非を論じる前に、では何故、サネが必要なのか?
→下地のレベル(平滑性)が悪い場合を想定し、フローリングを貼った後の目違い(段差)を無くす為、まずこの理由が出てくる。

 その通り。
でも、この前提はあくまでも、フローリングの加工精度が高い事=それぞれの  ピースのサネが同じ高さで、同じ幅で製造されている事である。

 その前提が守られない商品が、実に多い。
前提が守られないと、さてどうなるか?サネがあるお陰で、貼った後に目違いや床鳴りが発生してしまう。加えて、サネ接合部分は当然ながら、元々の強度が 低いから、運悪く店舗などで、歩行頻度の高い場面にその部分が掛かってしまうと、その箇所は確実に割れ、後々の補修や貼替が不可能になってしまう。

 本寄木、を知っていますか?
至高の床板と言われ、日本独自の室内工芸品として、国会図書館・
赤坂迎賓館などで採用され、百数十年経った今でも変わらない日本の伝統美 である。この本寄木はサネがない。

 フローリングにおいて、サネが必要だと思われるのは、根太に直接施工する場合だが、これも下からの湿気(に拠る暴れ)を恐れてか、まずメーカーはその形を推奨せず、まず合板を捨貼として使用する事を、強く促している。

 これだけフローリングが世に普及していながら、その形状はメーカーに拠り  まちまち、メーカー間の統一基準も無い。

 これはすなわち、サネに一定の理論も無い、これならどんな場面でも大丈夫と言う完璧な形状がある訳でも無い、の裏返しではなかろうか?

 サネは絶対、では無く、必要なら付ける。精度の悪いサネが横行しているが為に、サネがある事自体が、結果、クレームの原因となっている事を販売者は   改めて直視し、理不尽なクレームを受けない為にも、クレームの原因をもっと   掘り下げる必要がある、と強く思う。
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2009年01月06日

 職人から見たシートフローリング


P1000640.JPG 日本に長い事住んでいるヨーロッパのフローリングメーカーの人間と話す機会があった。海外の専門家と日本語で話せる機会は 滅多に無いから、思いもがけずフローリング論で盛り上がった。

 最も印象的だったのは、何を以ってフローリングと言うのか?と言う事。欧州 巨大建材メーカーの  駐在員と、日本の一職人の意見が見事に一致した。

 欧州の様に、住宅を含む建物全てが長い歴史に支えられた文化では、研究し尽くされた材料が、莫大な使用実績の元に「フローリングとはどうあるべきか?」「最も合理的な施工方法は、どうあるべきか?」昔から変わらぬ理念に基づいて商売が成り立っていると言う。

 一方で、日本では相変わらず、ラワンを使ったベニヤ板に化粧材を貼り付けるだけ、それがフローリングの主流であり、糊もどっさり使って、がちがちに固定 する。日本の気候を考えれば、それなりに考えられた商品と工法だが、いつまでたってもベニヤ板の上に貼る化粧材を替えているだけなのは、技術立国の日本では頂けないのではないか、最近は頓にその傾向が酷くなっている、と言う。

 その代表例がシートフローリングだ、と。これをフローリングだと思って買わ   されている日本の消費者は可哀想だとまで言う。

 御意。何故か?

 見かけの安さと、物を作る側の都合だけで生まれた商品だから。エンドユーザーそして我々職人の思いなど蚊帳の外。シートフロアは、日本独特のカラー   フロアが更に世界標準から遠ざかった典型だ、とさえ思う。竣工時に供給者側にリスクが少なく、安くあがればそれでいい、そんな思いだけが余りにも強過ぎしはしまいか?(職人日記シートフローリングの皮が剥けた」「流行のシートフロー リング参照)。

 日本の技術は世界一だろう、でもフローリング文化と言う視点で考えたら、日本は進歩どころか年々退化している、とまでその外国人は言う。

 次世代には、寿命が長く、いつまでも普遍的な価値を持つ本物だけを     残したい....こんな思いは何処の国の人も同じだろう。

 「高級品は無垢、普及品はラミネートフローリング(日本ではカラーフロア)」....
これは国を問わず、木質フローリングが行き着いた答え。この「普及品」が、時代の進化と共に、僅かづつでも”底上げされて行く”、こんな当たり前の事を願う我々の思いは、何時になったら叶えられるのだろうか?

 









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