ぎったんばっこん波打つ!?中国製の無垢フローリング

職人日記

忙しい。新聞やテレビで騒がれているそのまま。選挙後に上向いた消費意欲、消費税アップの駆け込み需要なんて理由で、戸建もマンションもそして店舗も沢山建っており、従ってどこも職人が足らない。

おーい、数年前に職替えしてしまった連中、何処へ行った?今更、帰ってくる訳無い。だって、いつまでもこの状況が続くと思っていないから。だから数年前のマンション不況の時に皆揃って、業界を去って行ったのだ。

そんな忙しさを助長するのが事故だ。にっちもさっちも行かない事故になると、TELが掛かって来て、泣きつかれる…どうにかしてくれ!と。もう手におえないよ、と。職人の知識不足、技術不足はこれまで書いてきた通りだが、こりゃ無いよ!と言う商品もたまにはある。そんな物に久しぶりに出くわした。

中国製無垢フローリング、樹種は果樹系の一種で、裏面に薄いクッション、我々が通称“カルプ”と呼ぶスポンジの密度の高い様なシートが貼ってある。これがきちんと裏面に貼られていなかった。カルプはクッション性を持たせる事で、下地材のレベル差による床鳴り減少や踏み心地の改善、また施工面では 改装で剥がす際に下地を傷める事無く、フローリング本体を取り去れる。そんな目的から、店舗など不特定多数の歩く場所で、モルタル下地に施工する様な無垢フローリングにはほとんど付いている代物。

原因は糊が足らなかった?それしか考えられない。ともかく施工した後で、次から次へと剥がれてくるものだから、フローリングそのものが部分的に浮き上がって、こりゃもう大変。均一の形状で無い板っきれを地面に置いただけ、みたいな状態だ。場所が社員食堂だから、洒落にならない。

こうなると手の施し様は無い。溝から糊など注入しても後の祭り、抜本的な改善策は無く、一枚一枚剥がして貼り直すのみ。

暇な時期ならこんな仕事も良いが、全く忙しい時期に後向きの仕事は、勘弁してほしい。